落ちこぼれ悪魔の扱い方
仲間
一番最悪だったのは、『悪魔コレクター』と名乗る男の依頼人に捕まったときだ。
与崎が鏡をくぐり抜けた瞬間、目の前に立つ中年の男は持っていた金槌で鏡を叩き壊した。
唖然とする与崎の前には、ホテルのエントランスと見間違うほどの豪華な大部屋が広がっていた。
大理石の床に、絢爛なシャンデリア。
しかしそれ以外には何もなく、窓すらない。
どこか奇妙な閉塞感がある部屋だ。
そこに、十人ほどの悪魔が監禁されていた。
男も女も関係なく一様に足枷をはめられ、鎖で壁に繋がれている。
「私は悪魔を集めるのが趣味でね」
高級なスーツに身を包んだ恰幅の良い依頼人は、下卑た笑顔で与崎を見ていた。
「君にはこれから、この部屋で過ごしてもらおう」
言うが早いが、男は与崎の背後に回ってその腕をひねり上げた。
巨体に似合わない俊敏な動き。
格闘技経験でもあるのか、力も驚くほど強い。
「……こんなことして、上が黙ってないぞ」
腕に走る激痛に顔を歪めながら、与崎はそう抵抗する。
しかし男は、団子鼻を鳴らして馬鹿にしたように笑った。
「これは契約なんだ。君たちを手元に置いておくことで、私はこれ以上ないほどの幸せを得られる。
閉じ込めているように見えるかもしれんが、全員同意の上だ。
……なーに、心配することはないさ。君もすぐ慣れるだろう」