落ちこぼれ悪魔の扱い方
足音が止まると、バンッという大きな音がしてドアが開いた。
「先生! ちょっといいっすか!」
息を切らして現れたのは、同じクラスの男子生徒だった。
全力で走ってきたようで、顔を真っ赤にして大柄な体を上下させている。
「サッカーで足怪我したやつがいて。歩けないくらい痛いらしいんで、先生来てもらっていいすか」
「え? ……ええ、分かったわ」
先生は美弥たちの方を見もせず「あなたたち、もう授業戻っていいわよ」とそっけなく言い、男子生徒と共に保健室を飛び出して行ってしまった。
取り残された美弥と咲子は、顔を見合わせた。
咲子はきょとんとした表情のまま口をつぐんでいる。
沈黙。加湿器の音だけが、控えめに美弥の耳に届く。
美弥は少し迷った後、普段通りの機械的な笑顔を返した。
とりあえず笑っておけば間違いはないだろう。
「じゃあそういうことだし、私たちも帰ろうか」
結局氷嚢もらえなかったな、と呟きながら出口へと向かう。
「待って、美弥ちゃん」
背後から言葉を投げかけられ、美弥は緩慢に振り返った。
「咲子。いいかげん授業戻らないと……」
「美弥ちゃん、何か私に隠してるよね?」
硬い声で咲子に言われ、美弥はハッとする。
改めて見た咲子の顔は、恐ろしく真剣だった。
「先生! ちょっといいっすか!」
息を切らして現れたのは、同じクラスの男子生徒だった。
全力で走ってきたようで、顔を真っ赤にして大柄な体を上下させている。
「サッカーで足怪我したやつがいて。歩けないくらい痛いらしいんで、先生来てもらっていいすか」
「え? ……ええ、分かったわ」
先生は美弥たちの方を見もせず「あなたたち、もう授業戻っていいわよ」とそっけなく言い、男子生徒と共に保健室を飛び出して行ってしまった。
取り残された美弥と咲子は、顔を見合わせた。
咲子はきょとんとした表情のまま口をつぐんでいる。
沈黙。加湿器の音だけが、控えめに美弥の耳に届く。
美弥は少し迷った後、普段通りの機械的な笑顔を返した。
とりあえず笑っておけば間違いはないだろう。
「じゃあそういうことだし、私たちも帰ろうか」
結局氷嚢もらえなかったな、と呟きながら出口へと向かう。
「待って、美弥ちゃん」
背後から言葉を投げかけられ、美弥は緩慢に振り返った。
「咲子。いいかげん授業戻らないと……」
「美弥ちゃん、何か私に隠してるよね?」
硬い声で咲子に言われ、美弥はハッとする。
改めて見た咲子の顔は、恐ろしく真剣だった。