落ちこぼれ悪魔の扱い方
「隠してるって、何を?」
美弥はとぼけてみた。
完璧な笑顔を貼り付けていても、その額を次々に汗が伝う。
……やっぱり、取り繕うのは難しい。
「何かは分からないけど。多分、重大なことだと思う」
「……」
ま、まあ、想定内の範囲だ。
さすがの咲子も、昼休みのあの白々しい言い訳を真に受けるはずがない。
頭ではそう分かっていても、いざ正面から切り出されると結構焦る。
美弥は冷や汗が止まらなかった。
「話しかけてもぼんやりしてるし、何やっても身に入らないみたいだし。急に意味深なこと言い出すし」
言っている間にも、咲子の表情は次第に険しくなってくる。
その表情の延長線上に関係の破綻がちらついた気がして、美弥はぞっとするような悪寒を感じた。
「わ、私、何か言ったかなあ?」
上げた口角の端がひくつき始めた。
咲子は鋭くなった目付きで視線を美弥に送る。
「決着つきそう、って言ってたよ。犯人が捕まりそうだからとか言ってたけど、その人だけ捕まっても意味ないよね?」
美弥は必死に昨日のことを思い出した。
脳裏に映るのは与崎のことばかりだったが、そういえば、咲子にそんなことを言った覚えもある。