『あなたを愛することはございません』と申し上げましたが、家族愛は不滅ですわ!

 タッくんはコホンと咳払いをして、

「回避する方法がないわけではない」

「なにか良い方法がありますの?」

「なんでも言ってくれ。私もできうる限りの協力をしよう」

「我の力で時を戻すのだ。少年が我の存在を口にする前に」

「「「「えぇぇっ!?」」」」

 衝撃のあまり、全員が目を剥いた。時間も巻き戻すなんて、常識ではあり得ない。
 誰もが思考が追いつかずに、唖然として目の前のドラゴンを見つめていた。

 タッくんは得意げに話を続ける。

「忘れたのか? 我は時空を(つかさど)るドラゴンだぞ。時を操作するなど容易(たやす)いことよ」

 彼らが思考を整理している少しの静寂のあと、

「すごぉ〜い!」

「あたし、みてみたい!」

 先に受け入れたのは双子たちだった。まだ幼い二人はキラキラと瞳を輝かせている。夢と現実がごちゃまぜになっている年頃なのだ。

「本当……なのか……?」

「本当にできますの?」

 一方、ハロルドとキャロラインは困惑を隠しきれなかった。大人になるということは、いろんな夢を諦めるということなのだ。

「無論だ。ただし、条件がある」

「条件?」

「見ての通り、我はまだ完全に力が戻っていない。なので、時を戻すには別の力が必要だ」

 タッくんはピッとキャロラインを指差す。

「そこで、小娘だ」
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