『あなたを愛することはございません』と申し上げましたが、家族愛は不滅ですわ!





「さてさて……」

 馬車が見えなくなるまで手を振って、屋敷に静寂が戻った頃――……、

「さ、わたくし用の馬車も出してちょうだい!」

 キャロラインはお茶会へ向かうために、お忍び用の馬車を既に用意させていた。

(今後の教育のためにも、二人が同世代とどうコミュニケーションを取っているか見ておかないとね)

 なんて言うものの、彼女は本当は子供たちが心配でたまらなかったのだ。二人とも他の貴族令息たちとあまり上手くいっていないらしい。

「あのぅ……」メイドが遠慮がちに問いかける。「本当にお茶会に乗り込むのですか……?」

「おモチのロンですわぁっ! ささっ、行きますわよぅっ!!」

 キャロラインは軽快に馬車に乗り込む。

(あの噂……本当だったんだ!)

 見送りの使用人たちが、感動したように女主人を見つめた。

 ――パーティー荒らし。

 それが、キャロライン・フォレット侯爵令嬢の、水面下で囁かれているあだ名だった。
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