『あなたを愛することはございません』と申し上げましたが、家族愛は不滅ですわ!
◇
「さてさて……」
馬車が見えなくなるまで手を振って、屋敷に静寂が戻った頃――……、
「さ、わたくし用の馬車も出してちょうだい!」
キャロラインはお茶会へ向かうために、お忍び用の馬車を既に用意させていた。
(今後の教育のためにも、二人が同世代とどうコミュニケーションを取っているか見ておかないとね)
なんて言うものの、彼女は本当は子供たちが心配でたまらなかったのだ。二人とも他の貴族令息たちとあまり上手くいっていないらしい。
「あのぅ……」メイドが遠慮がちに問いかける。「本当にお茶会に乗り込むのですか……?」
「おモチのロンですわぁっ! ささっ、行きますわよぅっ!!」
キャロラインは軽快に馬車に乗り込む。
(あの噂……本当だったんだ!)
見送りの使用人たちが、感動したように女主人を見つめた。
――パーティー荒らし。
それが、キャロライン・フォレット侯爵令嬢の、水面下で囁かれているあだ名だった。