『あなたを愛することはございません』と申し上げましたが、家族愛は不滅ですわ!

「ノン、ノン! 日頃から訓練しておくことで、緊急時に対応できるというもの。――さぁっ、もう一度いきますわよぉ〜! リピートアフタミー?」

「お前ーっ! 今度は何やってんだ!!」

 毎度おなじみのハロルドの怒号が響いた。

「あら? 旦那様、もうお帰りで?」

 軍隊はドラゴン捜索のため休みなく任務にあたっていた。なので総司令である彼は、城に泊まり込みで指揮をとっていたのだ。

「お前がまた何かやらかすのではないかと監視しにきたのだ」

 半分嘘である。彼は妻と双子に会いたかったのだ。

 ちなみに、もう半分は本当だ。この妻はいつトラブルを起こすか分からない超トラブルメーカーなので、屋敷のことが純粋に心配だった。緊急時だし。

「問題ございませんわぁっ! わたくし、女主人としてしっかりとお屋敷を守っておりますので!」

「嘘つけ! 現に今もまた訳のわからぬ妙な真似しているだろうが!」

「……」

 キャロラインはじっと夫を見つめてから、

「『旦那様は、すぐ怒ります』! はいっ!」

「「「旦那様は、すぐ怒ります!」」」

「うるせー!」

 ハロルドに急激な疲労が襲ってきた。
 ここ最近ほぼ徹夜でただでさえ疲れているのに、キャロラインの意味不明な行動に更に疲れた。

 早くふかふかのベッドに横になりたい。できればタッくんを抱きしめて、ひんやりした感触に癒やされたい……。
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