それらすべてが愛になる
 一見フランスなどの海外のマルシェの雰囲気に似ているが、たこ焼きにケバブ、ガパオライスといったキッチンカーも出店していて、そこは食に貪欲な日本らしい多国籍さで面白い。

 お昼はここで食べようと自然と決まって、それぞれ食べたいお店で買うことにした。

 テーブル席はいっぱいだったが、貸し出しのレジャーシートを借りて芝生に広げると、清流の心は浮き立った。ピクニックなんて何年ぶりだろうか。

 シートの上に座って、美味しそうなパン屋で買った袋を開ける。

 洋梨のデニッシュとバナナマフィン。
 飲み物はカフェスタンドで買ったホットチョコレートだ。

 いただきます、と手を合わせて洋梨のデニッシュを一口食べる。
 サクサクの生地と、洋梨の下に塗られた濃厚なカスタードクリームが合わさってとても美味しい。

 「見事に甘いものばかりだな」

 「そろそろ糖分を摂取しないと脳がフリーズしそうなんです。加賀城さんこそカツカレーってわんぱくですね」

 「いいだろ、腹減ってんだよ」

 青空の下、高級なスーツ姿でカレーを頬張る姿はなかなかアンバランスだ。

 あんまり笑うと機嫌を損ねるので気づかれないようしながら、洸はカレーが好きらしいという情報を、清流は無意識のうちに頭の隅に記憶しておいた。

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