それらすべてが愛になる
 お互いに空腹だったのか、会話もそこそこにあっという間にランチを食べ終わった。

 公園内では、買い物をする人、芝生で遊んでいる親子や寝転ぶ人など、みんなが思い思いの時間を楽しんでいる。

 「この後どうする、少しマルシェの中見ていくか?」

 「いいですね、そうしましょう」

 この後の予定も特に決めていなかったので、清流たちはマルシェの中を歩くことにした。

 それぞれのお店を覗きながら歩いていると、雑貨屋や香辛料など、意外な専門店も数多くある。特に何を買うという目的がなくても、商品を見ているだけで十分楽しかった。

 その中で一つのお店の前を通りがかったとき、陽気な店主に声を掛けられて足を止める。そこは有機野菜のお店だった。

 店主は畑の土の特長から新鮮な野菜の見分け方までを、身振り手振りで教えてくれる。
 清流もあれこれと吟味をして、トマトとズッキーニ、パプリカを選んだ。今日の夜はこの野菜を使って何かを作ろう。

 「お兄さんカッコいいねぇ、もしかしてハーフ?」

 「いえ、そうではないですけど」

 不意に店主に話しかけられて、洸は苦笑いをする。

 「そうなのかい?はい、じゃあこれおまけ、二人で食べてね!」

 買った野菜を詰めた袋を受け取ると、コールラビという珍しい野菜をおまけしてくれていた。これから旬を迎える野菜で生でも食べられるらしい。お礼を言って、お店を後にする。

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