それらすべてが愛になる
 「事実と相違がないか、ご本人に確かめておきたかったんです。
 あなたの戸籍は一見するとまっさらだ。それは離婚後転籍していて離婚歴が情報として引き継がれていないから。考えましたね」

 確かに、本籍地は変更していた。
 けれどそれは、離婚して復籍したときに本籍地が父の故郷である新潟県のままだったことに違和感があったから。

 清流自身にはゆかりもなく、自分が今住む東京のほうがしっくりくると思って、そのタイミングで本籍地を変更した。
 そのことで離婚歴が見えなくなることは知らなかったし、意図していたわけではなかった。

 どうしてこの人が、自分の戸籍の中身を知っているのか。
 そもそも、洸と清流の関係をどうして知り得たのだろうか?

 清流の過去を知っているのは、叔母夫婦や元結婚相手、それから以前にお見合いをした相手にも経歴だけは話していたはず。
 洸との関係は、自分たちを除けば槙野とマンション内の人間ぐらいしか思いつかない。

 (落ち着いて…この人の目的は何?)

 「……どうやって、この情報を取ったんですか?
 おっしゃるように私は十八で結婚してその後離婚しました。確かに一般的には早いですし歳の差もあったかもしれませんが、こんなふうに糾弾されるような覚えはありません」

 確かに、洸には自分の過去を伝えていない。
 でもそれは、初めは清流自身は洸と結婚するつもりはなく、六ヶ月の試用期間が終われば洸との関係は解消するつもりだったからだ。

 (でも、今は……)

 清流は、自分の顔から血の気が引いていくのが分かった。

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