それらすべてが愛になる
 初めはしらを切っていたが、麻由子の父親にすべてを話して判断してもらうと言うと、最後は泣きながら白状した。

 『お断りされてショックでしたけど、仕方ないって思っていました。私はそれから何度かお見合いしたけれど上手くいかなくて…。

 しばらくしてお父様から洸さんが他の人と婚約したらしいって聞きました。相手がどんな人なのか知りたくなって、でもお父様も分からないとだけで…そんなとき、突然早乙女さんから連絡がありました。

 洸さんを迷惑をかけたり傷つけるつもりはなかったんです。ただ、あんな子に負けたのかと思ったら悔しくて!だって洸さんには全然相応しくないもの』


 おとなしく反省していれば手心を加えてもいいかと思っていたが、その選択肢は消えた。

 彼女の件は後で対応するとして、先に片をつけるべきは佐和子のほうだ。


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