それらすべてが愛になる
 怒りというのはエネルギーを使うものだ。

 洸が大きく溜息をついて天井を見上げたのを、佐和子がほくそ笑むように見ているのを、目の端で捉える。

 (……清流は一人でこんな環境で暮らしていたのか)

 洸はようやく、本当の意味で理解できた気がした。

 意のままに支配しようとする叔母、頼りにならない叔父。
 まるで針のむしろだ。

 清流の両親が亡くなったのが十年前。
 自分が気ままな大学生活を謳歌していたとき、清流が一人でどんな気持ちで暮らしていたのかを想像すると、無性にいたたまれなくなる。

 助けてやりたかった。
 考えても仕方のないことだけれど、そう思う。


 「お話は以上かしら?でしたらそろそろ、」


 「……まだ、話は終わってませんけど?」


 洸は突き返されたメール文書を、テーブルに叩きつけるようにして押し返す。



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