それらすべてが愛になる
 「…急にいなくなって心配をかけたことは謝ります。会社の皆さんにも…だけど、」

 清流の静止もおかまいなしに、洸はどんどんと近づいてきていた。


 目を合わせたらだめだ。

 必死に顔を逸らして、ひたすら地面ばかりを見つめ続ける。


 とうとう目の前に立ったことが大きな影から分かって反射的に一歩後ずさる――よりも早く清流は腕を引かれたかと思うと、そのまま洸の中に閉じ込められていた。


 すっぽりと埋まるようなかたちで背中には腕が回されて、ようやく何が起きたのか理解するとバクバクと鼓動が早くなる。


 「え…あ、かがしろさ、」

 「あー…すいません、これは不可抗力じゃないです」

 「……は、はい?」

 ぽつりと洸が呟いたが、清流にはよく聞こえなかった。

 「こっちの話……とりあえず、」

 少しだけ体が離れて、正面から互いの目を見つめる。
 清流の頬を包み込む手は熱を持った頬には少し冷たくて、なのに温かくて。


 「帰ろう」


 どうしようもなく溢れた涙が、一筋ぽたりと流れ落ちた。


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