それらすべてが愛になる
 洸が運転する車に乗り、国道から関越自動車道に入る。

 洸からは寝てていいと言われた清流だけれどとてもそんなことはできず、というよりも目が冴えすぎて眠るどころではなかった。


 お互い朝も昼もほとんど食べていなかったので、休憩がてらサービスエリアに寄ると遅めの昼食兼早めの夕食を取ることにした。
 清流はお蕎麦と炊き込みごはんのセット、洸が大きなトンカツがのったわらじカツ丼を頼み席に着く。

 「あの…加賀城さんって今日は会社じゃないんですか?仕事は?」

 もちろん他にもっと気になることはあったけれど、お互いにそれは帰って落ち着いてからにしようということにしていた。

 それでふと気になったことを聞いてみたのだが、食べる手を止めた洸からは意外な返答があった。

 「有休消化。で、体調崩した清流に付き添ってることになってる」

 「え??ど、どういうことですか?」

 「いなくなった日、体調不良で休んだだろ?で、その後は風邪をこじらせて寝込んで、俺は一人暮らしの清流の様子を見に行って付き添いで看病ってことにした。けどそうしたら今度は榊木が見舞いに行きたいってうるさいから、今は体力が落ちてて入院一歩手前」

 「…けっこうな重症ですね」

 「いきなりいなくなるのが悪い」

 「すみません……」

 「いいよ、こうして戻ってきたんだから」


 食べた後はまた車を走らせると、だんだんと自然豊かな風景から見慣れた都会の景色へと移っていく。
 外はもう真っ暗ですっかり夜になっていた。

 関越自動車道から首都高速に入ると、カーナビが到着までの所要時間を告げて、ほぼその時間通りにマンションに着いた。

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