それらすべてが愛になる
 「十八のときに結婚した人は、叔母の地元出身の人でした。詳しくは知らないんですけど、子どもの結婚相手を親が探すコミュニティみたいなのがあるらしくて、そこで知り合ったんだと言っていました。

 相手は結婚に興味がなくて、とにかく自由に生きたいという人で。ただ資産家の長男なので周囲がうるさくて、とりあえず『結婚歴』がほしいのだということでした」

 『君はまだ若いのに、こんなことに巻き込まれて可哀そうだね』

 顔合わせで二人になったときに、そう清流に同情の言葉を投げた。

 『親に言っていないけど、僕は一生結婚生活を続けるつもりはないんだ。妻だとか家庭だとか、そういうものにどうしても興味が持てない。だから数年経てば離婚したいと思ってるし、それまでの辛抱だと思ってほしい』

 年齢差が大きいのは、離婚する際に『価値観の差』と理由づけしやすくなるので相手にとって好都合だった。

 「そのときに、相手の家から実家に結構なお金が渡っていることも知りました。でも、話を受けないと私はたぶん大学には通えませんでしたし…。まさかそれが、叔母の借金に当てられているとは思いませんでしたけど。体裁上、夫婦として相手の地元で暮らして私は家のこと全般を行い、その対価として生活と学費を保障してもらう、お互いの生活には干渉しないことが条件で結婚しました」

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