それらすべてが愛になる
三月に開かれた取締役会で、洸の専務取締役への就任が正式に承認された。
それに伴い洸は経営企画部長から外れることになり、新しくグループ会社から新任部長が転籍してくることが決まっている。そして、これまで洸が兼務していた経営企画課の課長ポストには未知夏が就くことになった。
今日は二人の昇進祝いをしようという舞原の発案で、洸と清流が暮らすマンションの屋上テラスを貸し切ってバーベキューパーティーを開くことになっている。
何か理由つけてうちに来たいだけじゃないのかとボヤいていたけれど、率先して食材の手配や段取りを確認していた様子を見て、洸らしいなと清流は思った。
「サラダってこれくらいでいい?」
「はい、いいと思います」
清流もキッチンへ移動してオーブンの扉を開けると、ほうれん草のキッシュがいい焼き色になっていた。
時計を確認すると、もうすぐ三人が来る時間が迫っている。
「でも…何だか寂しくなっちゃいますね」
お皿などを用意しながらぽつりと呟くと、隣りに立つ洸が不思議そうな顔をする。
「そうか?別に俺はこれまで通り社内にいるし、そもそも一緒に暮らしてるんだから毎日顔合わせるだろ」
「それはそうなんですけど…」
未知夏が課長という管理職につくことでプレイヤーが一人減るため、清流の下に新たなメンバーが入ってくる予定になっている。
自分がきちんと教えたりできるのかというプレッシャーもあるけれど、何よりも一年近く一緒に働いて五人でいるあの経営企画課の居心地の良さが好きだったので、それが変わってしまうのは少しだけ寂しい。
「俺はどっちかっていうと嬉しいけどな」
「そりゃあ…洸さんは昇進したんですから嬉しいでしょうけど」
少しだけ口を尖らせる様子に仕方ないなと一つ息をつくと、洸は清流の体をくるりと自分の方に向かせた。
それに伴い洸は経営企画部長から外れることになり、新しくグループ会社から新任部長が転籍してくることが決まっている。そして、これまで洸が兼務していた経営企画課の課長ポストには未知夏が就くことになった。
今日は二人の昇進祝いをしようという舞原の発案で、洸と清流が暮らすマンションの屋上テラスを貸し切ってバーベキューパーティーを開くことになっている。
何か理由つけてうちに来たいだけじゃないのかとボヤいていたけれど、率先して食材の手配や段取りを確認していた様子を見て、洸らしいなと清流は思った。
「サラダってこれくらいでいい?」
「はい、いいと思います」
清流もキッチンへ移動してオーブンの扉を開けると、ほうれん草のキッシュがいい焼き色になっていた。
時計を確認すると、もうすぐ三人が来る時間が迫っている。
「でも…何だか寂しくなっちゃいますね」
お皿などを用意しながらぽつりと呟くと、隣りに立つ洸が不思議そうな顔をする。
「そうか?別に俺はこれまで通り社内にいるし、そもそも一緒に暮らしてるんだから毎日顔合わせるだろ」
「それはそうなんですけど…」
未知夏が課長という管理職につくことでプレイヤーが一人減るため、清流の下に新たなメンバーが入ってくる予定になっている。
自分がきちんと教えたりできるのかというプレッシャーもあるけれど、何よりも一年近く一緒に働いて五人でいるあの経営企画課の居心地の良さが好きだったので、それが変わってしまうのは少しだけ寂しい。
「俺はどっちかっていうと嬉しいけどな」
「そりゃあ…洸さんは昇進したんですから嬉しいでしょうけど」
少しだけ口を尖らせる様子に仕方ないなと一つ息をつくと、洸は清流の体をくるりと自分の方に向かせた。