それらすべてが愛になる
その間にも洸は他の棚に移動していて、マグカップやコーヒーカップの棚を見ていた。
「そういえば、家から自分の食器って持って来てないよな?」
振り向きざまに聞かれて、清流は頷く。
実は最後までどうしようか迷っていた。
けれど、茶碗やカップといった私物を洸の家の食器棚に置いていいものなのか悩んだ末、食器類は重いのもあって結局持ってくるのをやめたのだ。
「毎日使うなら、気に入った物の方がいいだろ。茶碗とかカップとか買ってやるから選べば?」
「え、いえ、そんなのいいですっ、申し訳な、」
「引越し祝い。ほら、あっちにいろいろあるぞ」
清流が断るのを見越して被せるように「引越し祝いだ」と言うと、半ば強引に棚の前へと連れてこられた。
好きなの選べよ、とだけ言い残して洸は少し離れた場所でワイングラスのコーナーへ移動していった。
目の前にはマグカップだけでもたくさんの種類がある。その中で一つのマグカップに惹かれて手に取った。
(…この柄、可愛いな)
ワンポイントの小花柄と柔らかい色合いが可愛くて、手触りもよく手に馴染んだ。
すると女性の店員がやってきて、とある工芸作家の手作りでどれも一点物なのだと説明してくれた。店員もこの作家の作品のファンらしい。
さりげなくマグカップの底に貼られた値札シールを確認して、目に飛び込んできた値段にぎょっとする。
(ご、五千円…!そっか、一点物ならそうだよね、、)
他の物にしよう。
さすがに自分でも手が出ない値段なのに、これを買ってもらうことはできない。
清流は、このマグカップの良さを丁寧に説明してくれる店員に笑顔で相槌を打ちながら、心の中でごめんなさいと謝る。
そっと棚に戻そうとすると、その前に後ろからひょいと取り上げられてしまった。
「これが気に入った?」
「えっ、あ、いえ、そういうわけじゃ」
「嘘。さっきからずっとこればっかり見てただろ」
なぜか得意げに笑う洸の目は、お見通しだぞと言っている。
確かに一目で気に入ったのは本当だった。でも、いいんだろうか。
「…はい、これが欲しいです」
「素直でよろしい」
「そういえば、家から自分の食器って持って来てないよな?」
振り向きざまに聞かれて、清流は頷く。
実は最後までどうしようか迷っていた。
けれど、茶碗やカップといった私物を洸の家の食器棚に置いていいものなのか悩んだ末、食器類は重いのもあって結局持ってくるのをやめたのだ。
「毎日使うなら、気に入った物の方がいいだろ。茶碗とかカップとか買ってやるから選べば?」
「え、いえ、そんなのいいですっ、申し訳な、」
「引越し祝い。ほら、あっちにいろいろあるぞ」
清流が断るのを見越して被せるように「引越し祝いだ」と言うと、半ば強引に棚の前へと連れてこられた。
好きなの選べよ、とだけ言い残して洸は少し離れた場所でワイングラスのコーナーへ移動していった。
目の前にはマグカップだけでもたくさんの種類がある。その中で一つのマグカップに惹かれて手に取った。
(…この柄、可愛いな)
ワンポイントの小花柄と柔らかい色合いが可愛くて、手触りもよく手に馴染んだ。
すると女性の店員がやってきて、とある工芸作家の手作りでどれも一点物なのだと説明してくれた。店員もこの作家の作品のファンらしい。
さりげなくマグカップの底に貼られた値札シールを確認して、目に飛び込んできた値段にぎょっとする。
(ご、五千円…!そっか、一点物ならそうだよね、、)
他の物にしよう。
さすがに自分でも手が出ない値段なのに、これを買ってもらうことはできない。
清流は、このマグカップの良さを丁寧に説明してくれる店員に笑顔で相槌を打ちながら、心の中でごめんなさいと謝る。
そっと棚に戻そうとすると、その前に後ろからひょいと取り上げられてしまった。
「これが気に入った?」
「えっ、あ、いえ、そういうわけじゃ」
「嘘。さっきからずっとこればっかり見てただろ」
なぜか得意げに笑う洸の目は、お見通しだぞと言っている。
確かに一目で気に入ったのは本当だった。でも、いいんだろうか。
「…はい、これが欲しいです」
「素直でよろしい」