それらすべてが愛になる
 洸からの指摘はどれも正論なのだが、どこから手を付けて修正していけばいいのか道筋が見えない。

 しばらく悩んだ清流は、未知夏に資料のアドレスを送りアドバイスを求めた。

 「すみません、未知夏さんも忙しいのに」

 「いいのよ気にしないで、今は決算も終わったし少しゆとりもあるから。あ、この資料ね、どれどれー?
 ……うーん、そうね、確かにブラッシュアップは必要だけど、結果はターゲット内だし方向性も大きく外れてない。初めてでこれだけ作れたら大したものじゃない?大体みんな最初は膨大なデータと作業量を前に呆然としちゃうから」

 未知夏の励ましは嬉しくて少し気持ちが明るくなるも、洸から指摘された内容を説明する。

 「指摘の多さも加賀城くんの期待の表れでしょ」

 「そうでしょうか?」

 もっとデータを取ってこいと洸は言ったが、そんなに簡単に都合のいいデータは見つからなかった。
 そうこうしているうちに洸の指定した納期が間近に迫り、一から分析をやり直すほどの時間もなくなってしまい。

 「結局、不完全な資料だってことを自覚したまま提出したのを見抜かれてたんだと思います」

 ちゃんと資料を仕上げられなかった自分が悪い。
 清流はパソコンで自分の資料を眺めながら、ため息をつく。

 「リスク確率はねぇ…これだと確かに予測値の幅が広いかも。上下十三%以内に収まってないと結局捨て値にされちゃうからさ?この範囲は上が外部コンサルにも分析依頼してるから、経営企画としても精度上げておきたいって事情もあって要求も厳しいのよね」

 未知夏はいったん区切って、ペットボトルのお茶で喉を潤す。

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