それらすべてが愛になる
 唯崎は何か言おうと口を開きかけるも、それを止めて盛りこぼしで提供された日本酒を口に含んだ。

 「未知夏さんたちそろそろ戻ってきますかね?」

 そう尋ねる清流に唯崎は時計を見る。十分ほど経っているので、そろそろ戻ってくる頃だろうか。

 「ところで、唯崎さんから見てメンバーの皆さんはどうですか?」

 清流は空になった飲み物を頼むためにメニューを開きながら聞く。

 「そうですね、榊木さんは見ての通りの姉御肌、そして社内でもトップクラスの酒豪です。泡盛に手を出したら早めに逃げたほうが賢明です」

 「……唯崎さんも十分強そうですけど」

 乾杯からすでに四杯目になる日本酒を飲む唯崎を見る視線に、僕なんか勝負になりませんと首を振る。

 「舞原さんは……ムードメーカータイプでおちゃらけて見えますが頭の回転は早いです。それから意外と鋭いところがあるので、そういう意味では要注意人物かもしれません」

 「な、なるほど…」

 清流が頷きかけると個室のドアが開いて、舞原が戻ってきた。

 「あれー珍しい、唯崎さんとめちゃ盛り上がってるじゃないですか!」

 「別に普通です。工藤さん、注文は決まりましたか?」

 「はい、じゃあグレープフルーツサワーを」

 「それ俺も同じやつ!」

 「僕は惣邑(そうむら)を一合冷酒で。舞原さんお願いします」

 「俺が頼むんですか!?」

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