優しくしないで、好きって言って

『──髪も目も、宝石みたいじゃん』

 
「幼稚園の頃、私の髪と目を褒めてくれて嬉しかった。他人からそんなこと言われたの、初めてだった。……その時からずっとずっと、私は瑛大のことが好きだったんだから……っ」

「っ!」

「ただの初恋なんかじゃ終われなかった。再会して、まだ好きなんだって気づいた……ううん、もっともっと好きになっちゃってた。……瑛大がいなくなってから、恋なんて全然できなかったのに。私は……瑛大にまた、恋してた」


 不思議よね。

 でもこの答えはもう知っているの。


「……私が好きになれる人は、この世で瑛大一人だけみたいね」


 全て言い切ると、私はにっこりと口角を上に上げた。


 涙で顔がぐちゃぐちゃになってる。

 だけど、そんな気持ち悪さなんて気にならないくらい、高揚感が大きく勝っていた。


 だって、どうしても伝えたかったんだ。

 そのためにここに来たんだ。


 瑛大に許してもらえたら、その時にはって。


 ……いや、もし許してもらえなくても、この想いだけはなにがなんでも伝えようって決めていた。


 いつかじゃなく、今がいいと思ったから。


 ちょっと悔しいことに、先を越されちゃったけどね……。

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