優しくしないで、好きって言って

「……やだなぁ、そんなこと言いませんって」


 じろり、睨みつける。


「……そんなに信用できません?」


 じろり、さらに睨みつける。


「言いませんよ、神に誓ってね」


 くしゃっと私の頭を撫でた竜胆は、「それより、そんなにくっついていると誰かさんに勘違いされますよ」と私の耳元で囁くように言った。


「それでは、失礼いたします。瑛大さん、何か足りないものがあったら遠慮なくなんなりとお申し付けください。こちら、私の携帯番号です」


 竜胆は私が動揺した隙をついて拘束から抜け出すと、淡々とそう言ってリビングを去っていった。

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