優しくしないで、好きって言って
おかえり
*
「うん、俺も話したいと思ってた」
じっと見つめる私に返ってきたのは、そんな柔らかな言葉だった。
……よかった。
ほっと一息ついて、私は瑛大をソファに横並びに座るよう誘導する。
そして。
「あのっ」
まずはどの話をしようか。
いざ口を開いたのはいいけれど、候補が多すぎるせいか上手く頭が働いてくれない。
ただゆったりと流れる時。
秒針の音だけが、静かに広い空間に響きわたる。
そんな中、私は何とか絞り出した想いを胸に唇を動かした。
「髪飾り、ありがとう」
昨日もらったそれ。
まだ、お礼も言えてなかったから。