優しくしないで、好きって言って

 ──それから私たちは色んな話をした。

 瑛大が買ってきてくれたケーキを一緒に食べながら。

 長かった8年の空白を、少しでも埋めるように。


 そうして話しているうちに、色々とわかったことがある。

 瑛大が海外に住んでいたのは知っていたけど、小学生の間は日本人学校に、中学からは現地の学校に通っていたんだということ。

 それから、中学でバスケ部に所属していたこととか、相変わらず成績トップを守り続けていたこととか。

 今は私と同じで、部活には何も入ってないことも教えてくれた。

 そして、合コンの真相も。



「うそ、ただの数合わせだったの!?」


 拍子抜けするのと同時に、おかしくて思わず吹き出してしまった。

 どうしてもって誘われたからだなんて……。


「やっと笑った」

「……え?」

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