エリート役員は空飛ぶ天使を溺愛したくてたまらない
 フェンスに囲まれているゲートにあるセキュリティを通る際にパスポートのチェックがあり、莉桜は首を傾げる。再度車に乗ると、ゲートが開いて中に入れてもらえた。

「え? もしかしてここは制限エリア内ですか……?」
 くすっと運転席から笑い声が聞こえる。
「さすが。よく分かったな」
 制限エリアとは通常保安検査場の先のことだ。ここが制限エリアということは莉桜は今、保安検査を通り過ぎて出国審査を終えたことになる。

 車は大きい倉庫のような飛行機の格納庫の横を通り過ぎる。
(ちょっと待って、これって……)
 もしかしてと思いつつも莉桜が戸惑うのをよそに車は駐機している飛行機の真横に付けられた。

「プライベートジェットですか!?」
「そう。今弊社では大型ジェットだけじゃなくて、小型ジェットの発売も検討していてね。日本人のセレブからもリクエストが非常に多い。だから仕事も兼ねた搭乗だよ。けど莉桜にはぜひ楽しんでほしい。これならトランジットなしでモルディブまで行けるしな」

 五十里はにこにこと嬉しそうだ。
 確かに、現在モルディブまでの直通便はなく、ハブ空港での乗り換えを余儀なくされる便ではある。
 プライベートジェットならその乗り換えは不要だ。
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