エリート役員は空飛ぶ天使を溺愛したくてたまらない
その時が来たら、甘やかにロマンティックに。もう五十里以外の男性のことなんて考えられないくらいに。
今日でなくても、機会は訪れる。
その時は遠慮しないと五十里は決めていた。
* * *
四勤二休、その客室乗務員の勤務が莉桜は好きだ。ただ唯一の悩みは土日祝日が休みという会社員の友人との休みがなかなか合わないことで、それは交際を始めた五十里と会えないということと同義だった。
それに加えて五十里は五十里重工の取締役部長でもあり、繁忙を極めていて私生活に時間を割くこともなかなかできないのだ。
時間のない中でも五十里は時折思い出したように通話をしてくれる。
『これから通話してもいいか?』
そう毎回律儀に聞いてくるのが微笑ましかった。大丈夫な時はくすぐったいような嬉しい気持ちで通話を待つ。がっかりするのは着信があったというメッセージをスマートフォンの電源を入れた際に目にすることだ。
(通話、取れなかったよ……)
スマートフォンの電源を落とすのは莉桜が乗務の時だから、もちろんやむないことではあるのだが、それでもがっかりしてしまう気持ちを抑えることはできない。声だけでも聴きたいから。
今日でなくても、機会は訪れる。
その時は遠慮しないと五十里は決めていた。
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四勤二休、その客室乗務員の勤務が莉桜は好きだ。ただ唯一の悩みは土日祝日が休みという会社員の友人との休みがなかなか合わないことで、それは交際を始めた五十里と会えないということと同義だった。
それに加えて五十里は五十里重工の取締役部長でもあり、繁忙を極めていて私生活に時間を割くこともなかなかできないのだ。
時間のない中でも五十里は時折思い出したように通話をしてくれる。
『これから通話してもいいか?』
そう毎回律儀に聞いてくるのが微笑ましかった。大丈夫な時はくすぐったいような嬉しい気持ちで通話を待つ。がっかりするのは着信があったというメッセージをスマートフォンの電源を入れた際に目にすることだ。
(通話、取れなかったよ……)
スマートフォンの電源を落とすのは莉桜が乗務の時だから、もちろんやむないことではあるのだが、それでもがっかりしてしまう気持ちを抑えることはできない。声だけでも聴きたいから。