エリート役員は空飛ぶ天使を溺愛したくてたまらない
 そんな顔をしていたのかと莉桜は思わず両手で自分の顔を触ってしまった。けれど、部屋の中も見たいことは間違いないのだ。
「有名な超一流ホテルです。名前は聞いたことがあっても、お部屋の中に入る機会はないので可能であればぜひ拝見させていただきたいです」

「俺の彼女は本当に勉強熱心だな。いいよ。おいで」
 五十里はレセプションに向かわないで、コンシェルジュデスクに向かった。そこで英語で話しかける。
『こんにちは。五十里です』
『五十里様、お待ちしておりました』

 思わず莉桜は時計を確認する。そういえば、この時間なら通常はまだチェックインできない時間だ。五十里は特別にアーリーチェックインできるよう手配しているのだろう。
『いつものお部屋でご用意してございます』
『ありがとう』

 英語で聞こえるそのやり取りはとてもスマートなものだった。
 五十里の部屋は高層階にあり、レイクビューのジュニアスイートである。窓からの景色は素晴らしく、ミシガン湖が一望できる。湖は湖面にキラキラと光を湛えていた。
 莉桜は思わず窓に貼り付いて外の光景をじっくり堪能してしまう。
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