本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます ~side story ~
亮平 44
『あんたの提案通りに、あれから色々手を尽くしたんだよ。社内で新しい商品開発プロジェクトを立ち上げて、クラウドファンディングで融資を募ったり、今まで取引が一度も無かった銀行に融資を頼んでみたり、専門家を雇ってアドバイスを受けたり……少しずつ資金が貯まっていって、常盤商事の社長にもう一度会いに行ったんだ。社長からは、これではまだまだだと言って鼻で笑われたよ。これではやはり買収は免れないかと思っていたけど、意外な事を言ってきたんだよ』
「意外な事……?」
俺は首を捻った。
『ここまでして資金をかき集めるとは思わなかった。……そうまでして娘と結婚したくないのかって言われたんだよ。だからあえて黙っていたんだよ。そしたら常盤商事の社長が言ったんだ。5月までに川口家電買収金額の半額を集められたら、買収の話は考えてみてもいいってね』
「来年5月か……大変な事だな」
『ああ、でも頑張るさ。俺が好きな相手は鈴音だけだから』
俺の前で堂々と語る川口に嫉妬を覚える。
「全く……勝手に言ってろ。だが、父親は納得しても肝心の社長令嬢はどうするんだよ。お前にベタ惚れなんだろう?」
『よせよ、そんな言い方』
社長令嬢雄の話が気に入らなかったのか、川口がムッとした様子で言う。
『俺から一度も彼女に誘いを入れた事は無いからな。いい加減愛想をつき始めているかもしれない。ひょっとすると父親に不満でもぶつけているんじゃないかな?』
「ふ~んそう言うものなのか? まぁ、先方が妥協してきたのは良い傾向かもしれないな。とりあえずお前は資金をかき集める事だけを今は考える事だ」
俺がそこまで言った時、川口が言葉を濁しながら尋ねてきた。
『ところで……鈴音はどうしてる? 少しは元気になったかな?』
「ああ、大分元気になったな。新しいマンションに移り住んだのも良かったんじゃないか?」
『そうか……なら良かった……』
「何が良かっただよ。鈴音は完全にお前に捨てられたと思ってるんだからな? とりあえず一刻も早く会社の事を何とかしろよ? 鈴音が別の男を作ってしまう前にな」
俺はわざと川口をたきつけるような言い方をした。尤もそんな真似を鈴音にさせるつもりはないがな。鈴音の周りを邪魔な男がうろちょろしようものなら、俺が追い払うつもりだから。
『ああ、分ってる。それじゃ……鈴音を頼むな』
川口はそれだけ言うと電話を切った。
「ふぅ……」
俺はスマホをポケットにしまうと夜空を眺めた。この時の俺はまだ知らなかった。
鈴音に好意を寄せているもう1人の男が同じ職場にいたと言う事に――
「意外な事……?」
俺は首を捻った。
『ここまでして資金をかき集めるとは思わなかった。……そうまでして娘と結婚したくないのかって言われたんだよ。だからあえて黙っていたんだよ。そしたら常盤商事の社長が言ったんだ。5月までに川口家電買収金額の半額を集められたら、買収の話は考えてみてもいいってね』
「来年5月か……大変な事だな」
『ああ、でも頑張るさ。俺が好きな相手は鈴音だけだから』
俺の前で堂々と語る川口に嫉妬を覚える。
「全く……勝手に言ってろ。だが、父親は納得しても肝心の社長令嬢はどうするんだよ。お前にベタ惚れなんだろう?」
『よせよ、そんな言い方』
社長令嬢雄の話が気に入らなかったのか、川口がムッとした様子で言う。
『俺から一度も彼女に誘いを入れた事は無いからな。いい加減愛想をつき始めているかもしれない。ひょっとすると父親に不満でもぶつけているんじゃないかな?』
「ふ~んそう言うものなのか? まぁ、先方が妥協してきたのは良い傾向かもしれないな。とりあえずお前は資金をかき集める事だけを今は考える事だ」
俺がそこまで言った時、川口が言葉を濁しながら尋ねてきた。
『ところで……鈴音はどうしてる? 少しは元気になったかな?』
「ああ、大分元気になったな。新しいマンションに移り住んだのも良かったんじゃないか?」
『そうか……なら良かった……』
「何が良かっただよ。鈴音は完全にお前に捨てられたと思ってるんだからな? とりあえず一刻も早く会社の事を何とかしろよ? 鈴音が別の男を作ってしまう前にな」
俺はわざと川口をたきつけるような言い方をした。尤もそんな真似を鈴音にさせるつもりはないがな。鈴音の周りを邪魔な男がうろちょろしようものなら、俺が追い払うつもりだから。
『ああ、分ってる。それじゃ……鈴音を頼むな』
川口はそれだけ言うと電話を切った。
「ふぅ……」
俺はスマホをポケットにしまうと夜空を眺めた。この時の俺はまだ知らなかった。
鈴音に好意を寄せているもう1人の男が同じ職場にいたと言う事に――