本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます ~side story ~
亮平 45
12月29日――
今日は鈴音の仕事納めの日で家に帰ってくる日でもあった。忍からの連絡で鈴音を迎えに行って欲しいと頼まれた俺は着替えもせずに早速車で駅へ向かった。
「もうすぐ鈴音に会える……しかも数日間は家にいるからな」
思わず笑みが浮かんだ――
「え……亮平、どうしてここに?」
改札から出てきた鈴音は俺を見て首を傾げた。
「何って、鈴音を迎えに来たに決まってるだろう?」
何故当然のことを鈴音は尋ねてくるんだ?
「迎えって……あ、ひょっとしてお姉ちゃんから連絡貰ったの?」
「ああ、そうさ。鈴音から連絡貰ったからすぐに駅まで迎えに行って欲しいって。だから着替えもせずに迎えに来たんだよ」
鈴音の言葉に頷く。尤も例え忍から言われなくても自分の意志で俺は鈴音を迎えに来ていただろう。
「そうなんだ……お姉ちゃんが……」
「ほら、荷物よこせよ。重いんだろう?」
さっさと鈴音の手から荷物を預かる。
「あ、ありがとう」
こうして俺は鈴音を連れてコインパーキングへ向かった――
****
助手席には鈴音が座っている。……今鈴音は何を考えているんだろう……。やはり川口の事を考えているのだろうか? そう思うと自分の胸がチクリと傷んだ。すると不意に鈴音がこちらを向き、尋ねてきた。
「ねえ、亮平」
「うん。何だ?」
「お姉ちゃんとの交際は順調?」
鈴音はとんでもないことを尋ねてきた。やっぱり鈴音の望みは俺と忍が恋人同士に戻る事なのだろうか?
「え? あ、ああ。まあな」
傷つく心を押し隠し、返事をする。
「そっか……なら良かった」
鈴音はどこか悲しげに微笑む。
「鈴音、もしかしてお前……まだ川口の事、引きずってるのか?」
気づけば俺は川口の名前を口にしていた。
「え?」
鈴音が驚いた様子で俺を見る。
「あんな無責任な男……早く忘れちまえ」
苛立ち紛れについ、川口の悪口を言ってしまう。
「それは違うよ、亮平。直人さんは……責任感が強いから、私と別れたんだよ」
鈴音はまだ川口を庇い立てする。そんな態度が益々俺をいらつかせる。
「何言ってるんだよ! けど、結局金持ちの家と結婚しておいしい思いをするのは変わりないんだろう? お前を平気で捨てて……!」
駄目だ。鈴音と川口の仲を応援するつもりだったのに、今の俺は鈴音と川口の中を嫉妬して川口のことを貶めようとしている。しかし、その時鈴音の悲しげな表情に気がついた。
「ごめん。鈴音、悪かった。言い過ぎたよ」
俺は鈴音を傷つけてしまったんだ……。
「え? どうしたの? 突然」
鈴音が意外そうな目で俺を見た。
「い、いや。まだ鈴音と川口が別れて間もないのに、お前の気持ちも考えないで非常識だったな」
そうだ、俺は決めただろう? 鈴音と川口の仲を取り持つと……。
「亮平……」
「まあ、辛い恋愛を忘れるのに一番いいのは新しい恋をすることだな?」
鈴音にカマをかけて見ることにした。もし、これで鈴音が頷けば川口の事を吹っ切れたと言えるだろう。
「ごめん……今はまだそんな気になれなくて……」
鈴音の言葉に俺は落胆する。
そうか……鈴音。やっぱりお前まだ川口を忘れられないんだな?
だとしたらやっぱり俺は鈴音と川口が元の鞘に収まれる様に協力していかなければならないのか……。
俺は複雑な気持ちでハンドルを強く握りしめた――
今日は鈴音の仕事納めの日で家に帰ってくる日でもあった。忍からの連絡で鈴音を迎えに行って欲しいと頼まれた俺は着替えもせずに早速車で駅へ向かった。
「もうすぐ鈴音に会える……しかも数日間は家にいるからな」
思わず笑みが浮かんだ――
「え……亮平、どうしてここに?」
改札から出てきた鈴音は俺を見て首を傾げた。
「何って、鈴音を迎えに来たに決まってるだろう?」
何故当然のことを鈴音は尋ねてくるんだ?
「迎えって……あ、ひょっとしてお姉ちゃんから連絡貰ったの?」
「ああ、そうさ。鈴音から連絡貰ったからすぐに駅まで迎えに行って欲しいって。だから着替えもせずに迎えに来たんだよ」
鈴音の言葉に頷く。尤も例え忍から言われなくても自分の意志で俺は鈴音を迎えに来ていただろう。
「そうなんだ……お姉ちゃんが……」
「ほら、荷物よこせよ。重いんだろう?」
さっさと鈴音の手から荷物を預かる。
「あ、ありがとう」
こうして俺は鈴音を連れてコインパーキングへ向かった――
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助手席には鈴音が座っている。……今鈴音は何を考えているんだろう……。やはり川口の事を考えているのだろうか? そう思うと自分の胸がチクリと傷んだ。すると不意に鈴音がこちらを向き、尋ねてきた。
「ねえ、亮平」
「うん。何だ?」
「お姉ちゃんとの交際は順調?」
鈴音はとんでもないことを尋ねてきた。やっぱり鈴音の望みは俺と忍が恋人同士に戻る事なのだろうか?
「え? あ、ああ。まあな」
傷つく心を押し隠し、返事をする。
「そっか……なら良かった」
鈴音はどこか悲しげに微笑む。
「鈴音、もしかしてお前……まだ川口の事、引きずってるのか?」
気づけば俺は川口の名前を口にしていた。
「え?」
鈴音が驚いた様子で俺を見る。
「あんな無責任な男……早く忘れちまえ」
苛立ち紛れについ、川口の悪口を言ってしまう。
「それは違うよ、亮平。直人さんは……責任感が強いから、私と別れたんだよ」
鈴音はまだ川口を庇い立てする。そんな態度が益々俺をいらつかせる。
「何言ってるんだよ! けど、結局金持ちの家と結婚しておいしい思いをするのは変わりないんだろう? お前を平気で捨てて……!」
駄目だ。鈴音と川口の仲を応援するつもりだったのに、今の俺は鈴音と川口の中を嫉妬して川口のことを貶めようとしている。しかし、その時鈴音の悲しげな表情に気がついた。
「ごめん。鈴音、悪かった。言い過ぎたよ」
俺は鈴音を傷つけてしまったんだ……。
「え? どうしたの? 突然」
鈴音が意外そうな目で俺を見た。
「い、いや。まだ鈴音と川口が別れて間もないのに、お前の気持ちも考えないで非常識だったな」
そうだ、俺は決めただろう? 鈴音と川口の仲を取り持つと……。
「亮平……」
「まあ、辛い恋愛を忘れるのに一番いいのは新しい恋をすることだな?」
鈴音にカマをかけて見ることにした。もし、これで鈴音が頷けば川口の事を吹っ切れたと言えるだろう。
「ごめん……今はまだそんな気になれなくて……」
鈴音の言葉に俺は落胆する。
そうか……鈴音。やっぱりお前まだ川口を忘れられないんだな?
だとしたらやっぱり俺は鈴音と川口が元の鞘に収まれる様に協力していかなければならないのか……。
俺は複雑な気持ちでハンドルを強く握りしめた――