嘘も愛して
私たちは校内をゆっくりと回り、粗方情報を収集した。私たちが見回りをしていることを知らしめるためでもあったから、百道くんが私のところに来てくれてちょうどよかった。
昼休みをだいぶ過ぎてから見回りは終わり、百道くんはポッケに手を突っ込んだ姿勢で私に首を傾げた。
「これから筆頭のとこ行く?」
「ん?行かないよ。ちょっと体動かして帰ろうかな」
「報告しないんだ」
「会った時でいいかな」
ふぅん……とだけ相槌をうち、意味深な笑みを浮かべる。少し一緒に過ごしてみたけど、奥底が見えない子だったな。なんと言うか、危うい、そんな感じがして少し気がかりになる。それが百道くんという人間性なのだろう。
「ありがとう、急だったのに付き合ってくれて」
「ん」
短く答え、百道くんは後ろ姿で手を振って去っていった。