嘘も愛して
バチバチと静かな火種が生まれそうなくらい、私たちは双方視線を交差させる。言葉じゃ埒が明かない。私はある名案を思いつき、澄ました顔で彼に提案する。
「……ならこうしよ。君が私をどう見るのかは自由だよ。ちょっと私に付き合ってよ」
「え」
若干口元をひくつかせた美少年は面を食らって動きを完全に止めている。
「君は空周のどこに惹かれて入ったの?」
「……。俺にないものを、持っている。興味があっただけ、御織空周っていう人間に」
予想通りの答えに、私はあからさまな作り笑いを浮かべる。
「そう。そんなリーダーからお仕事です」
「なに」
眉間に皺を寄せて不服そうにしている美少年。ごめんね、本当は私だけのお仕事なんだけど、これも何かの縁ってことで。
「骨のある奴見つけてこい。だって」
「……それ意味あるの」
淡々と口ごたえをする彼に合わせて私も用事を早く済ませようと話を進める。
「まぁ、そういうていで、皇帝流座の割合とその他に派閥があるのか見て来いってことだよね」
「分かってんだ。ただの付き人じゃないんだね」
「ねっ、一つ私っていう人間を知れたでしょ。ほら、行くよ」