ハイスペ上司の好きなひと


「今日から海外営業部に主任として配属になる飛鳥航輝(あすかこうき)だ。よろしく」


その顔面偏差値の高さに、男前だからびっくりするよと言った藤宮の言葉を思い出す。

どれほどのものかと思っていたが想像以上のイケメンが来てもはや思考はショート寸前だ。

この男と今後は仕事をしなければならないのかと思うと、まだ初日だというのに藤宮に今すぐ戻ってきてくれと泣きつきたくなってしまった。


「よろしく…お願いします…」


そんな自分の反応を見て、一ノ瀬はにやにやと笑った。


「飛鳥ぁ、お前戻ってきた初日から若い女の子たぶらかして罪な男だな」
「?よくわかりませんが、彼女は新卒の方なんですか?」
「いや中途の子。けどお前よりは確実に年下だろ」


そんな会話をしながら男達に挟まれ部署の中に入っていく。

飛鳥達は旧知の仲なのか懐かしい話に花を咲かせており、退散するタイミングを完全に逃してどうしたものかと思っていたところ、その後出社してきた社員達が次々に彼に群がっていった。



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