ハイスペ上司の好きなひと
その日中に諸々の手続きを済ませて大まかな入居予定日を決め、紫は不動産屋を後にした。
ひとつ懸念が減ったことでどっと疲れがやってきてしまい、たまたま目についたカフェに入って遅めのランチを取ることにした。
あとは引越し業者に見積もりを出してもらったり、破棄してしまった家具も随時買い足さねばならない。
そんな今後のタスクを持ち運び用のタブレットに頭の整理がてら書き込んでいると、通知が流れ込んできた。
飛鳥だ。
そういえば朝は挨拶もそこそこに内見に行くと言って飛び出してきたなと思いながらメッセージを開くと、物件はどうだったのかとシンプルな内容が書かれていた。
担当者からもらっていた間取りの情報をスクショして送り、ここに決めましたと同じように短く返信する。
お礼は不要だと言われたけど、やはり何かはしないとなと頭を悩ませながらサンドイッチを頬張れば、またすぐにメッセージが返ってきて入居日はいつにするのかと聞かれた。
「入居日か…どうしよう」
ハウスクリーニングをすぐに入れてくれると言っていたから長期休みには入居可能だ。
休みの間に部屋を片付けられるならその方が良い。
そう思って大体この辺りだと返せば既読はつくものの返信は来なくなった。
一体どうしたのだろうと思わなくもないが、とりあえず今はやるべき事をせねばと頭を切り替え、見積もりの作成の為一旦本来の家に戻ることにした。