ハイスペ上司の好きなひと


そろそろ戻りますと言ってその場を後にしてデスクへ戻り、PCを立ち上げて少し早いが業務に入った。

このタイミングで彼女たちとはチームが離れて良かった。

間も無く昼から戻ってきたリーダーの秋山に挨拶をして先日の会議の議事録を手渡せば「大変だったな」とこちらからも気を遣われなんとも言い難い気分になった。

あの女、一体どんなふうに自分の事を悪く吹聴したのだ。


「あの…彼女は私の事をなんて言ってるんですか…?」


気になって仕方がないので聞いてみると、秋山は「あー…」と言いにくそうに頭を掻いた後、指で耳を貸せと言わんばかりにちょいと動かしたので素直に屈んで耳を寄せた。


「あの七瀬って子、古賀さんに虐められたって上に泣きついたらしいんだけど…彼女実は役員の姪だったらしくてさ。今日朝イチでその人が話を聞きにきたんだよ」
「ええ!?」


血の気が引くのを感じながら目を剥き驚けば、まあ落ち着けと秋山は言って続けた。


「で、古賀さんと話をさせろって言うからどうしたもんかと思ってたら飛鳥が入ってきてさ、なんかすげえキレてて」
「…あの飛鳥さんがですか?」


信じられなくて聞き返せば、秋山は真面目な顔で頷いた。



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