ハイスペ上司の好きなひと



「あの子結構やらかしてたみたいだな。発注の数誤魔化したり大事なデータ消したり、顧客からの電話の伝言伝え忘れてたり」
「うわぁ…」
「そのフォローを全部飛鳥がしてたんだけど、それを勘違いしちゃったのかねえ…悪びれもせず擦り寄っては散々付き纏ってたみたいよ」
「……」
「で、そこにきて古賀さんの話の誇張だろ?飛鳥のやつ、しっかり彼女のミス全部記録してた上に付きまといの証拠も一緒に突き出してこれ以上は訴えるって。古賀さんの件を含め対応を怠るなら退社も辞さないってもう大騒ぎよ」
「そ、そんなことが…」


秋山は体の前で腕を組みながら背もたれに身体を預け、疲れたように続けた。


「んでそこに出社してきた白河…じゃなくて藤宮も入って、古賀さんに限って虐めなんてあり得ないってあいつまで怒り出すもんだからどういうことだって各所に話を聞きまくって今に至るわけよ」
「で、でも私…何も話聞かれてませんよ…?」
「古賀さんはただの被害者だろ?あの日応接室に行ったのだって俺が準備頼んだからだし。ああ、それも伝えておいたからな」
「そうなんですね…ありがとうございます」


どうりで先程から七瀬の姿が見えない訳だ。

しかしあれだけ好き勝手にしていたのは、役員の親戚という後ろ盾があったからだったのか。

これを機に彼女も仕事への姿勢を改心してくれるといいのだが。



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