ハイスペ上司の好きなひと
ひと通りの流れを理解し、秋山にもう一度頭を下げてデスクに戻った。
そしてこれはあとから聞いた話だが、結果から話すと七瀬は地方の支社に移されるらしい。
どうも飛鳥の私物を勝手に拝借してはSNSにあげて匂わせをしていたというのだから驚きだ。
ミスの隠蔽に加えて虚偽の噂を流して部内の混乱を招き、遂には他人の私物を許可なく盗っていた(本人は借りただけと言い張っているようだが)とあらばもう庇いようが無い。
解雇処分にならなかった所をみると親族の温情が働いたという訳か、どうにもスッキリしない。
そして翌日、やはりというか紫は部長に呼び出された。
しかし会議室には現在の上司である秋山と藤宮、そして飛鳥が先に入っていた。
飛鳥と目が合うも気まずさから視線を逸らしてしまい、促されるままに秋山の隣に腰掛けた。
「先日の七瀬くんの件では皆んなに迷惑をかけたね」
部長は集まった面々にそう謝罪をし、すぐに本題へと移った。
曰く、メンバーが1人抜けた事と七瀬のやらかしが尾を引いており藤宮のチームが人手不足によりパンク寸前であること、そこで新しい人員の追加が検討されたが藤宮と飛鳥双方の希望により紫に白羽の矢が立ったらしい。
けれどプロジェクトも佳境に入っており秋山のチームにも余裕が無いため業務に支障ない程度で仕事を受けて欲しいとの事だった。