ハイスペ上司の好きなひと
けれどそれは飛鳥にとっては都合の良い事だと信じて疑わなかった。
どうでもいい人間から恋情を押し付けられ期待を持たれることほど、迷惑な話は無いのだから。
思考を巡らせているうちに体が空腹を訴えている事に気付き、そろそろ何か摂取しなければ本当に倒れそうだと紫はそそくさと手洗い場を後にした。
そしてその時丁度、懐に入れていたスマホがメッセージが届いた事を知らせてきたので考えるより先に画面を開いた。
「なんていうか…焦ってる風にも見えるというか、前とは明らかに違う気がするんだよね…」
難しい顔をしてそう言う女性社員の声は、友人からきたメッセージの内容に身を固くしていた紫の耳には全く届いてはいなかった。