ハイスペ上司の好きなひと
「っ、」
瞬間身体がびくりと跳ねたが、飛鳥は構わず重ねた手を握ってきた。
「古賀、俺…」
一瞬言い淀んだ飛鳥だったが、意を決したように言葉を続けた。
「怖かったんだ」
「……」
言葉の意味を理解しようとしたけれどどうしても分からない。
どう返していいか分からず黙り込んでいると、補うように飛鳥が言葉を続けた。
「古賀に惹かれてるのは分かってたのに、認めるのが怖かった。だからずっと過去に縛られてるって誤魔化してた」
「…え…」
頭が真っ白になる。
まだ酔っているのだろうか。
それで自分に都合の良い夢を見ている、そうとしか思えなかった。
「泣かせるくらい傷つけておいて図々しいのは分かってる。既に気持ちが無くても構わないから、もう一度チャンスを貰えないか」
「……」
「古賀が好きだ」
紡がれた言葉は確かに飛鳥の声だった。
自分の手を握る彼の手も、心なしか震えているように思う。