ハイスペ上司の好きなひと
紫と付き合いを始めて1年と少し。
毎日会社で顔を合わせているが、お互い忙しい身であり恋人として触れ合えるのは週末くらいだ。
正直全然物足りない。
そんな彼女と一刻も早く一緒に暮らしたくて、紫の家の更新の日を指折り数えていた。
そんなとある初夏の日。
数日間の出張を終え、向かう先は自宅ではなく愛しい恋人の家だ。
うまく商談が進み予定より早く戻ってくる事ができた。
一緒に赴いていた藤宮には帰りの機内で浮き足立っていることを指摘され恥ずかしい思いをした。
紫と付き合って間も無くして藤宮には交際している事を告げた。
その事を泣いて喜んでくれた記憶は今でも新しい。
かつて恋心を寄せていた上司は今では尊敬できる先輩であり仕事において信頼できるパートナーだ。
そこにはそれ以上の感情は無く、今はその恋情は全て紫へと向いている。