ハイスペ上司の好きなひと



「どうした?なんか揉めてる?」
「一ノ瀬課長代理…!」


救世主だ。

助けてくれという意味も込めて視線を送れば、一ノ瀬が人のいい笑顔を見せてきた。


「外まで会話聞こえてだけど、なに?飛鳥の話?」
「えっ!?えっと…」


先程の勢いがみるみる引き、女性社員達は互いの顔を見合わせる。


「今は休憩中だし、プライベートな話をするなとは言わないけどあんまり新人を困らせるのは良くないんじゃないかな?」
「す、すみません…」
「それに多分、古賀ちゃんにお願いしたところであいつは口割らないよ」
「えっ、じゃあ課長代理はその方ご存知なんですか…!?」
「さあ〜どうだろうね?」


一ノ瀬は笑顔でこそいたものの、その目は全く笑っていなかった。


「あんまり藪を突かないでやって。な?」
「……」


一ノ瀬の圧力に押し負けたのか、女性社員達は気まずそうにその場を後にした。



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