ハイスペ上司の好きなひと


そう言って少し間を置いた後、悩みながら紫は言った。


「好きとは違うけど、支えたい人ならいるよ」
「それは最早好きなんじゃないの」
「いやなんていうか…その人他に好きな人居るんだよ」
「え〜なんでそんなわざわざ無謀なところいくのよ」
「いやだからまだ好きじゃないって」
「まだって言ってる時点で手遅れじゃない?」
「…いや、ないない。ほんと違うから」


自分に言い聞かせるように呟けば、真由菜から哀れみの表情を向けられた。


「まあ…骨は拾うよ」
「ほんとやめてってそういうの…」
「てかそんなに良い男なの?」
「多分、真由菜も認めるレベルの美形だとは思うよ」
「マジか!やっぱ諦めんな紫!ついでに商社マンを紹介しろ!」
「本音がダダ漏れだよ真由菜」


イケメンという単語に舞い上がった真由菜から写真はと催促されたが生憎そんなものを撮り合う仲ではないので無いと突き放して諦めてもらった。


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