ハイスペ上司の好きなひと


驚きすぎて言葉を出せないでいると、飛鳥が優しい声で言った。


「あそこで渡したら絶対気を遣って受け取らないと思ったからな。まあ…今回の記念に、プレゼントだ」
「え?え?でも、これ…」


"しらかわ"さんに渡す為に買ったんじゃないのか、そう思ったけれど口にはしなかった。


「熱心に見てたのに結局買わなかったから何か理由があるのかと思ったけど、贈り物としてならいいかと思ってな」
「……」
「要らなかったか?」
「!ち、違うんです!もし買っても移動の道中で壊れたら嫌で手が出せなかっただけで…本当は可愛いなって思ってて…」


言葉にならない嬉しさが込み上げてきて、ゆかはそれを宝物のようにぎゅっと抱きしめた。


「ありがとう…ございます」


ここが人前でなければ泣いていた。

それくらい嬉しくてたまらなかった。


そうしていると、いつ以来かのように頭に優しく手が乗せられた。



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