ハイスペ上司の好きなひと


安心させるように笑って見せれば虚な目で「悪い」と謝られた。

間違いなく日頃の疲れが出たのだろう。

今週の頭に出張から帰ってきてから連日帰りも遅かったし、きちんと休めているかそれこそ心配はしていたのだ。

苦しそうに顔を歪める飛鳥に胸を痛めながら、紫は持ってきたお盆のものを差し出した。


「飛鳥さん、すみません。しんどいのは分かるんですがヨーグルトだけでも食べてもらえますか?この解熱剤、よく効く分胃が荒れやすくて」
「…ん、わかった」


きっと食欲など無い事は承知の上でのお願いだったが、飛鳥は特に抵抗なく受け入れてくれた。

割とすぐに食べ終わりカラになったヨーグルトと交換して解熱剤を渡す。


「私はこれから買い物に出てきます。必要なものがあればメッセージを送ってください」


頭の中で買い物リストを作成しながら部屋を後にし、テーブルの上を素早く片付けて簡単な荷物を持って家を出た。



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