ぼっち姫と英雄
序章
シュタイン王国とギルド
シュタイン王国にある冒険者ギルドにローブで顔を隠した1人の少女?らしき人物が素材の買い取りをしてくれないかと素材買い取りカウンターに来ていた。買い取りカウンターの受付嬢は素材を見て驚いてしまい思わず声に出すという失態を冒してしまったのだった。
「あのう?この素材はどちらで入手されたものですか?」
「はい?そこに置いたものは全て私が討伐したものや採取したものですが?何かおかしな物でもありましたか」
「いえ、この辺では見ない素材でしてたので、どこかで購入されたのかな?と思っただけですよ!」
「そうですか、この国のギルドは冒険者の実力も計れない者が素材買い取りカウンターで受付嬢をしているということなんですね?私が不正をしたと思っているなら貴女の首が飛ぶだけですが?」
買い取りカウンターでの話しを聞いた周りの冒険者たちは冷ややかな眼で受付嬢に喧嘩を売ってる冒険者を見ていたのだが、あまりにも周りがざわざわし過ぎたため部屋の奥からギルドマスターが出て来てなんの騒ぎだと買い取りカウンターの受付嬢に聞く。
「すいません、ギルマスこちらの方が持って来た素材がこの辺のものではないようでして」
「なに?ちょっと見せてみろ!ほう、これは凄いなすべて一撃で仕留められているな。それで、これがどうしたというのだ?」
「別に大したことではないわ、これを私が討伐や採取したものではなく、その辺で買って来たとかフザけたこと言ったのよ、この受付嬢は!」
「おまえさんは国外から来た冒険者だな。さすがにここまで綺麗に倒されてれば不正を疑われてしかたないがかなりの腕だな!」
「それでちゃんと適正価格で買い取ってもらえるんでしょうね?まさか、買い取れないとか言わないわよね!」
「それなんだが、さすがにこの量の素材をすべて買い取って払う金は持ち合わせていないから必要なものだけでいいか?
「ええ、それでいいわ!買い取ってもらえるならね!」
「ギルドマスター本気ですか?こんな怪しい冒険者が持って来た素材を買い取るなんて」
「怪しい冒険者か?この素材はすべてこの冒険者が一撃で倒したもので間違いは無いんだぞ!ちなみに買い取りとは関係無いんだが冒険者ランク聞いてもいいか?」
「私の冒険者ランクはCよ!この国ではどう評価されてるか知らないけど。私の言葉が信用出来ないなら冒険者証見せましょうか?」
「いや、そこまでしてもらう必要は無い」
ギルドマスターは苦笑いをしながら買い取りカウンターの受付嬢に説明することになるのだった。冒険者でCランクというのは討伐も採取も護衛も一通り出来るランクになるということを買い取りカウンターの受付嬢に説明するのだが納得がいかなかったようで、さらなる説明をすることになるのだった。
「すまないが君の身分を明かしてもいいかね?もちろん冒険者としての身分のことだが!」
「それで納得してもらえるなら説明してもらっても構わない。早く買い取りをして欲しいのでね」
「そうかご協力感謝する。この方は最速でCランクまでになった冷月だ、名前ぐらいは知っているだろう?」
「はい、冷月様の名前は受付嬢として基本的な情報なのでもちろん知ってます」
「おいおい、冷月だってよ、マジかよ!」
「ああ、話しを聞いてる限りは本人らしいぞ?」
ローブの冒険者が冷月だとわかった冒険者たちは騒然としていた。冷月といえば依頼を受けて戻って来るまでが早いのかギルドで顔を合わす事のない冒険者たちは顔も得意な獲物も知らないのだった。
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