彩度beige
「・・・や、やだ!こんなところに普通置く?人が通る場所なんだし、ガラスの物とか、もっと奥の方に飾るべきじゃない?」
美波さんの第一声はそれだった。
私は、怒りだとか悲しさだとか悔しさだとか、いろんな感情が一気に湧いてきたけれど、ショックのあまり言葉がすぐに出てこない。
「わ・・・、私は悪くないからね!こんな置き方していたことが悪いのよ」
そう言うと、美波さんはプイッと大きくそっぽを向いた。
「・・・・・・っ」
何か、言い返してしまいたかった。
けれどーーー、美波さんはお客様。不用意なことは言えないし、だからといって、冷静に話せるような言葉も出てこない。
でも・・・、これは・・・。
「・・・」
「・・・」
私と美波さんが対峙しているその横で、敦也は頭を掻きながら、「はー」と大きく息を吐く。
「・・・あー・・・、いいよいいよ。弁償するから。これいくら?」
ーーー面倒くさい。そんな感じの言い方だった。
お金を払うからいいだろう、これ以上何も言わせない、そんな感じの無言の圧力。
「えー、でも、私のせいじゃないんだし、別によくない?」
「あー・・・、けど、ケチだとか、後から色々言われたらめんどくさいじゃん。払えば気が済むんだろうし・・・。衣緒、これいくらなの?」
敦也が私に目を向けた。
怒りで両手が震えてしまう。私は必死に、心を落ち着かせながら言う。
「・・・こちらは、展示用にとお願いをして特別に作っていただいたものなので、値段の設定はありません・・・」
これだけ言うのが精一杯だった。
敦也は「ふーん」と言いながら、忌々し気に私を見つめる。
「・・・それって、だからあえて高い金払えよ的なことを言いたいの?」
「!、ち、違・・・っ」
「え、やだ。でもこの企画って、無名の作家集めた企画なんでしょう?そこは調べて来てるけど・・・、無名の作家でこのくらいの大きさのものなら、高くても、せいぜい数万円ってとこじゃない?」
「あー、いい、いい。ヘンにケチったって思われるのも嫌だしな。10万か20万くらい出せばいい?50万でも・・・、まあいいか。払うから」
「・・・・・・っ」
怒りをすでに通り越し、涙が溢れそうになってきた。
芳江さんが、企画のために時間をかけて作ってくれたガラスのお花。
それが、一瞬で壊れてしまった。
とても大切なものなのに・・・、私は、守ることができなかった。
美波さんの言う通り、展示の仕方が悪かったのかもしれないと、どうしようもない後悔で、胸が苦しくなってくる。
ーーーでも、だけど。
敦也と美波さんの言葉を聞いて、黙ったままでもいられなかった。
美波さんの第一声はそれだった。
私は、怒りだとか悲しさだとか悔しさだとか、いろんな感情が一気に湧いてきたけれど、ショックのあまり言葉がすぐに出てこない。
「わ・・・、私は悪くないからね!こんな置き方していたことが悪いのよ」
そう言うと、美波さんはプイッと大きくそっぽを向いた。
「・・・・・・っ」
何か、言い返してしまいたかった。
けれどーーー、美波さんはお客様。不用意なことは言えないし、だからといって、冷静に話せるような言葉も出てこない。
でも・・・、これは・・・。
「・・・」
「・・・」
私と美波さんが対峙しているその横で、敦也は頭を掻きながら、「はー」と大きく息を吐く。
「・・・あー・・・、いいよいいよ。弁償するから。これいくら?」
ーーー面倒くさい。そんな感じの言い方だった。
お金を払うからいいだろう、これ以上何も言わせない、そんな感じの無言の圧力。
「えー、でも、私のせいじゃないんだし、別によくない?」
「あー・・・、けど、ケチだとか、後から色々言われたらめんどくさいじゃん。払えば気が済むんだろうし・・・。衣緒、これいくらなの?」
敦也が私に目を向けた。
怒りで両手が震えてしまう。私は必死に、心を落ち着かせながら言う。
「・・・こちらは、展示用にとお願いをして特別に作っていただいたものなので、値段の設定はありません・・・」
これだけ言うのが精一杯だった。
敦也は「ふーん」と言いながら、忌々し気に私を見つめる。
「・・・それって、だからあえて高い金払えよ的なことを言いたいの?」
「!、ち、違・・・っ」
「え、やだ。でもこの企画って、無名の作家集めた企画なんでしょう?そこは調べて来てるけど・・・、無名の作家でこのくらいの大きさのものなら、高くても、せいぜい数万円ってとこじゃない?」
「あー、いい、いい。ヘンにケチったって思われるのも嫌だしな。10万か20万くらい出せばいい?50万でも・・・、まあいいか。払うから」
「・・・・・・っ」
怒りをすでに通り越し、涙が溢れそうになってきた。
芳江さんが、企画のために時間をかけて作ってくれたガラスのお花。
それが、一瞬で壊れてしまった。
とても大切なものなのに・・・、私は、守ることができなかった。
美波さんの言う通り、展示の仕方が悪かったのかもしれないと、どうしようもない後悔で、胸が苦しくなってくる。
ーーーでも、だけど。
敦也と美波さんの言葉を聞いて、黙ったままでもいられなかった。