彩度beige
するとサイズはピッタリで、ワンピースもカーディガンも、おあつらえかのようだった。


(・・・かわいい・・・)


前後左右、鏡の前でくるりと回って、自分の姿を確認してみる。

かわいいし、ワンピース丈もちょうどいい。身体のラインも綺麗に見せてくれている。

当然ながら気分は上がっていくけれど、私にはかわいすぎるようにも思うから、この姿で一葉くんの前に出るなんて、少し勇気がいることだ。

けれど、この流れで出ていかない訳にはいかないし、勇気を出して、彼の待つリビングへ行くことにした。

「・・・お待たせしました・・・」

ドキドキしながら、ソファに座っている一葉くんの背中に呼びかけた。

振り向いて、私に視線を向けた彼の目が、大きく見開いたのがわかった。

「・・・、どうかな。サイズはピッタリなんだけど・・・」

「・・・・・・。いや、うん、すごくかわいい・・・」

噛みしめるように呟いて、一葉くんはそのまましばらく私のことを見つめ続ける。

その視線に、どうしようもなく恥ずかしくなり、私は逃げ出したい気持ちになった。

「・・・じゃ、じゃあ、サイズ確認はOKだよね!そうしたら、もう着替えてこようかな」

落ち着かなくて、彼の視線から逃れたくって、そう言って踵を返し、その場を去ろうとしたけれど。

一葉くんはサッとソファから立ち上がり、私の手首をぎゅっと掴んだ。

「待って。まだ、そのままでいてほしい」

「で、でも。サイズ確認は終わったし、着替えても別にいいでしょう?」

「・・・いや。困る」

「どうして」

「・・・めちゃくちゃかわいいから。オレがもっと見てたいし、できれば、カーディガンを脱いだ姿も見てみたい」

「!」

ストレートな物言いに、私の頬が熱くなる。

逃げ出したいのに、手首は掴まれているし、何よりも、彼の視線から捕らわれたように動けない。

ーーーどうしよう。

逃げ出したいのに。恥ずかしいのに。

それでも、かわいい、見ていたいって言った彼の言葉が嬉しくて、私の耳から離れない。

「・・・その、ごめん、カーディガンは、ちょっと調子に乗りすぎた。けど・・・、できればもう少しだけ、そのままでいてほしい」

「・・・」

そこまで言われて、嫌だとは言えなかった。

頷くと、彼は「ありがとう・・・」と言いながら、私を解放してくれた。

「・・・、よかったらお茶でもいれようか。慣れてるし、オレが準備してもいい?」

「う、うん!ありがとう・・・。お願いします」

コーヒーでいいかを確認されて頷くと、一葉くんは部屋に用意されているミニバーで、2人分を注いでくれた。

たちまち、部屋中がコーヒーの香りに包まれる。
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