彩度beige
聞き流せない言葉を聞いて、私は、思わず彼を見上げてしまった。

それは・・・、ご両親も他の親族も、すでに私を知っているっていうこと・・・?

戸惑う私の頬を撫でると、一葉くんは微笑んだ。

少し、甘みを含んだ表情で。

「親とか親戚とか、結婚前提で悩んでくれてたのは嬉しすぎるけど」

「・・・っ!そ、それは・・・!」

「水谷さんの懸念は全部問題ないよ。そうしたら・・・、問題解決ってことで、結婚前提で付き合ってくれるってことでいい?」

「!」

私が一葉くんを好きで。一葉くんも私を好きで。

彼にとって私は特別で・・・。

私が問題だと思っていたことを、一葉くんは問題ないって言い切った。

ーーー彼から離れようと思っていた理由の全てが、一瞬にしてなくなってしまった。

もちろん絶対なんてない。違う問題が出てくるかもしれない。そうしたら、また、不安になるかもしれないけれどーーー・・・。

それでも、信じたいと思った。

今、一葉くんが私に言ってくれたこと。

今、私が感じている気持ち。

もちろん怖くないわけじゃない。でも・・・・・・。

ーーー大丈夫。

そう思う、今の気持ちを信じたい。

「・・・うん」

彼の問いから数十秒。気持ちを決めて、私はしっかり頷いた。

返事が遅すぎただろうか。

一葉くんは、息をのむような顔をする。

「・・・、『うん』って・・・、本当に、結婚前提で付き合ってくれるってこと?」

「うん。はい・・・・・・、よろしくお願いします」

「!」

次の瞬間、もう一度強く抱きしめられた。

銀色の髪が、私の頬にサラリとかかる。

「・・・大事にする。絶対」

耳元で、一葉くんの言葉が響く。

私にだけ、届けられたその言葉。

「・・・うん」

嬉しくて。幸せで。胸の奥がジンとなっていく。

私も、あなたのことを大切にする。


誓いのように、私は初めて彼の背中に手を回す。

彼の手が、私の髪から頬を滑ってく。

目を閉じて、それから受けた二度目のキスは、一度目よりもずっと優しく、ずっとずっと甘かった。









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