彩度beige
瀧澤さんに「必ず行ってほしい」と言われた「.Fes」が開催されるのは、次の土日ということで、私と一葉くんは両日ともに、午後からイベントに行くことにした。
一葉くんは、午前中とイベント後には通常のホテルの仕事もあるようなので、できるだけ、効率的に会場内を回れるように、出展ブースの内容やマップをイベントサイトでチェックしておく。
(・・・ここは木工を扱っている作家さん、こっちはガラス作家さん・・・、この作風は今回の企画に合いそうだから、このブースは絶対チェック・・・)
リンクが貼ってある作家さんの作品を、ネット上とはいえ見るのは楽しい。
ついでに・・・と、それぞれの経歴を見てみると、美大や服飾系の学校を出て、本格的にクリエイターとして活動している作家さん、会社勤めをしながら創作活動をしている方、子育てが一段落して最近ものづくりを始めた主婦の方、実家の工房を継いでいるバリバリの職人さんなどなど・・・、本当に、様々な人たちが出展していた。
HPがなかったり、SNSをやっていない作家さんの作品はネット上では見れないけれど、ひとまず出展ジャンルはチェックして、当日見逃さないように、メモをしておくことにする。
(・・・よし。とりあえずはこんなものかな・・・)
「.Fes」を訪れるのは、当然ながら仕事であって、緊張感を持っている。
けれど同時に・・・、それ以上に楽しみにしている気持ちもあった。
いろんな作家さんたちの作品を、リアルに間近で見れること。
そして、一葉くんとその仕事を一緒にできるということは、やっぱり、とても楽しみなのだった。
「.Fes」のイベント当日。初日の土曜日。
お昼過ぎ、待ち合わせ場所である駅の改札口で、一葉くんの到着を待つ。
(・・・今日も暑いな・・・)
改札口は蒸し暑く、流れてくる汗をタオル地のハンカチで拭ってく。
と、数分もしないうち、一葉くんが私の前に現れた。
「ごめん!待たせて・・・」
上質そうな白シャツに、黒いデニム姿の一葉くん。
整えていたであろう銀髪は、服装に合わせてラフな感じに下ろされていた。
・・・相変わらずにかっこいい。一瞬で、暑さが吹き飛ぶ気分になった。
「う、ううん。大丈夫だよっ」
一葉くんは、駅に着いて電車を降りて、ホームからここまで急いできたのだろうか・・・、息はやや乱れているし、肌は少し汗ばんでいる。
その姿がやけに色っぽく、私は、ちょっとドキドキしてしまう。
目のやり場に少し困って、うつむきながら視線を逸らすと、一葉くんは、心配そうに私の顔を覗き込む。
「・・・ごめん、暑かったよね。・・・というか、怒ってる?」
「え!?・・・ぜ、全然!私も、さっき着いたばかりだし」
「・・・ほんとに?でも、なんか顔も赤いから・・・」
(!?)
私は、顔を赤くしながらうつむいてしまったようだった。
けれど・・・、それを「怒ってる」って感じるなんて、状況的なものもあるとは思うけど・・・、一葉くんは、意外と女心には鈍感なタイプかもしれない。
一葉くんは、午前中とイベント後には通常のホテルの仕事もあるようなので、できるだけ、効率的に会場内を回れるように、出展ブースの内容やマップをイベントサイトでチェックしておく。
(・・・ここは木工を扱っている作家さん、こっちはガラス作家さん・・・、この作風は今回の企画に合いそうだから、このブースは絶対チェック・・・)
リンクが貼ってある作家さんの作品を、ネット上とはいえ見るのは楽しい。
ついでに・・・と、それぞれの経歴を見てみると、美大や服飾系の学校を出て、本格的にクリエイターとして活動している作家さん、会社勤めをしながら創作活動をしている方、子育てが一段落して最近ものづくりを始めた主婦の方、実家の工房を継いでいるバリバリの職人さんなどなど・・・、本当に、様々な人たちが出展していた。
HPがなかったり、SNSをやっていない作家さんの作品はネット上では見れないけれど、ひとまず出展ジャンルはチェックして、当日見逃さないように、メモをしておくことにする。
(・・・よし。とりあえずはこんなものかな・・・)
「.Fes」を訪れるのは、当然ながら仕事であって、緊張感を持っている。
けれど同時に・・・、それ以上に楽しみにしている気持ちもあった。
いろんな作家さんたちの作品を、リアルに間近で見れること。
そして、一葉くんとその仕事を一緒にできるということは、やっぱり、とても楽しみなのだった。
「.Fes」のイベント当日。初日の土曜日。
お昼過ぎ、待ち合わせ場所である駅の改札口で、一葉くんの到着を待つ。
(・・・今日も暑いな・・・)
改札口は蒸し暑く、流れてくる汗をタオル地のハンカチで拭ってく。
と、数分もしないうち、一葉くんが私の前に現れた。
「ごめん!待たせて・・・」
上質そうな白シャツに、黒いデニム姿の一葉くん。
整えていたであろう銀髪は、服装に合わせてラフな感じに下ろされていた。
・・・相変わらずにかっこいい。一瞬で、暑さが吹き飛ぶ気分になった。
「う、ううん。大丈夫だよっ」
一葉くんは、駅に着いて電車を降りて、ホームからここまで急いできたのだろうか・・・、息はやや乱れているし、肌は少し汗ばんでいる。
その姿がやけに色っぽく、私は、ちょっとドキドキしてしまう。
目のやり場に少し困って、うつむきながら視線を逸らすと、一葉くんは、心配そうに私の顔を覗き込む。
「・・・ごめん、暑かったよね。・・・というか、怒ってる?」
「え!?・・・ぜ、全然!私も、さっき着いたばかりだし」
「・・・ほんとに?でも、なんか顔も赤いから・・・」
(!?)
私は、顔を赤くしながらうつむいてしまったようだった。
けれど・・・、それを「怒ってる」って感じるなんて、状況的なものもあるとは思うけど・・・、一葉くんは、意外と女心には鈍感なタイプかもしれない。