彩度beige
普通に返事をしたものの、私は少し緊張していた。
緋山くんからの食事の誘いは毎回お断りしているし、こうして直接会うのは久しぶりだし・・・、やはり気まずい思いがしてしまう。
けれど、緋山くんは私にいつも通りの笑顔を向けた。
「元気か水谷」
「う、うん。大丈夫」
「そっか。よかった」
(緋山くん・・・、気を遣って普通にしてくれているのかな。それとも、本当に気にしてないのかな・・・)
そこはわからないけれど、私はちょっとほっとする。
緋山くんは、それから一葉くんにも挨拶をして、芳江さんには軽く自己紹介をして、「では」と、作品を紙袋から取り出した。
白くどっしりとした、けれど小柄でかわいらしい花瓶。
「.Fes」で見た緋山くんの作品とは印象がまた違うけど、一葉くんがリクエストした通りの素敵な花瓶に仕上がっている。
「・・・・・・、いいですね。かわいいな・・・」
緋山くんから花瓶を受け取った一葉くんは、いろんな角度から眺め、静かにだけど、感激した様子で呟いた。
願ったものが形になって、すごく嬉しそうだった。
「・・・ありがとうございます。すごく、嬉しいです。期待はもちろんしてたけど、それ以上というか・・・」
「マジですか。・・・よかったー!自信あるつもりだったけど、やっぱ見てもらうまではドキドキしてて」
はあーっと、緋山くんが脱力したように息を吐く。
一葉くんは、「本当に」と、感動が伝わるように言葉を重ねる。
その光景を見て、私もとてもホッとして、よかったなって思ったし、緋山くんに心の中で感謝した。
一葉くんの想いをこうして形にしてくれたこと。
緋山くんのセンスや技術・・・、緋山くんの作品は、これからきっと、もっと沢山の人たちに評価されていくのだと思う。
「・・・でも、本当に楽しみだね。この作品たちでホテルの空間が創られるのは」
呟くと、一葉くんが「うん」と強く頷いた。
きっと今、私と同じ気持ちでいてくれているんだと思う。
「まだまだやることは沢山あるけれど・・・、こうして作品全部揃って、ちょっとホッとしたというか・・・、ひと段落した感じがあるね」
目の前に並ぶ作品たちや、積み上がったダンボール箱を見てそう思う。
ここから、私たちが空間を創り上げていく。
これらの作品をどう魅せていくのか・・・、ここからが、「Vulpecula」側の勝負なのだと思うけど、納品された作品たちを目にすると、もう、その存在だけですごい味方をつけているような・・・守護神がついているような・・・、そんなほっとひと息つける感覚がある。
「水谷さんも最近忙しかったよな・・・。明日は夕方から打ち合わせだし、今日は帰ったらゆっくり休んで」
「うん・・・。ありがとう」
「・・・あ、でも『スピカ』があるか」
「ううん。明日はお休みもらっているの」
「そっか。じゃあ朝もゆっくりできるか」
「うん。お昼まで寝ようかなって思ってるよ」
一葉くんと話していると、芳江さんが「あら」と嬉しそうな顔をして、「仲いいのねぇ」と、私と一葉くんを交互に見ながら笑顔で呟く。
「支配人さんと気軽に話せるっていいわよね。2人は普段から仲いいの?」
「そ、そうですね・・・。悪くはないかと・・・」
「そう~。・・・あ、そうだわそういえば・・・、智津さんが言っていたかもしれないわ・・・」
緋山くんからの食事の誘いは毎回お断りしているし、こうして直接会うのは久しぶりだし・・・、やはり気まずい思いがしてしまう。
けれど、緋山くんは私にいつも通りの笑顔を向けた。
「元気か水谷」
「う、うん。大丈夫」
「そっか。よかった」
(緋山くん・・・、気を遣って普通にしてくれているのかな。それとも、本当に気にしてないのかな・・・)
そこはわからないけれど、私はちょっとほっとする。
緋山くんは、それから一葉くんにも挨拶をして、芳江さんには軽く自己紹介をして、「では」と、作品を紙袋から取り出した。
白くどっしりとした、けれど小柄でかわいらしい花瓶。
「.Fes」で見た緋山くんの作品とは印象がまた違うけど、一葉くんがリクエストした通りの素敵な花瓶に仕上がっている。
「・・・・・・、いいですね。かわいいな・・・」
緋山くんから花瓶を受け取った一葉くんは、いろんな角度から眺め、静かにだけど、感激した様子で呟いた。
願ったものが形になって、すごく嬉しそうだった。
「・・・ありがとうございます。すごく、嬉しいです。期待はもちろんしてたけど、それ以上というか・・・」
「マジですか。・・・よかったー!自信あるつもりだったけど、やっぱ見てもらうまではドキドキしてて」
はあーっと、緋山くんが脱力したように息を吐く。
一葉くんは、「本当に」と、感動が伝わるように言葉を重ねる。
その光景を見て、私もとてもホッとして、よかったなって思ったし、緋山くんに心の中で感謝した。
一葉くんの想いをこうして形にしてくれたこと。
緋山くんのセンスや技術・・・、緋山くんの作品は、これからきっと、もっと沢山の人たちに評価されていくのだと思う。
「・・・でも、本当に楽しみだね。この作品たちでホテルの空間が創られるのは」
呟くと、一葉くんが「うん」と強く頷いた。
きっと今、私と同じ気持ちでいてくれているんだと思う。
「まだまだやることは沢山あるけれど・・・、こうして作品全部揃って、ちょっとホッとしたというか・・・、ひと段落した感じがあるね」
目の前に並ぶ作品たちや、積み上がったダンボール箱を見てそう思う。
ここから、私たちが空間を創り上げていく。
これらの作品をどう魅せていくのか・・・、ここからが、「Vulpecula」側の勝負なのだと思うけど、納品された作品たちを目にすると、もう、その存在だけですごい味方をつけているような・・・守護神がついているような・・・、そんなほっとひと息つける感覚がある。
「水谷さんも最近忙しかったよな・・・。明日は夕方から打ち合わせだし、今日は帰ったらゆっくり休んで」
「うん・・・。ありがとう」
「・・・あ、でも『スピカ』があるか」
「ううん。明日はお休みもらっているの」
「そっか。じゃあ朝もゆっくりできるか」
「うん。お昼まで寝ようかなって思ってるよ」
一葉くんと話していると、芳江さんが「あら」と嬉しそうな顔をして、「仲いいのねぇ」と、私と一葉くんを交互に見ながら笑顔で呟く。
「支配人さんと気軽に話せるっていいわよね。2人は普段から仲いいの?」
「そ、そうですね・・・。悪くはないかと・・・」
「そう~。・・・あ、そうだわそういえば・・・、智津さんが言っていたかもしれないわ・・・」