日陰令嬢は常に姿を消して生活したい~あれ?私って転生者?陰から皆さんをお守りいたします。
俺の問いに答えることも出来ない様子のアメリアを横抱きにすると、アメリアの部屋へと急いだ。専属の侍女シャルルと共に部屋に入ると、アメリアをベッドにそっと寝かせた。横にしたアメリアの顔を覗き込むと、額に大きな汗が浮かび上がっていた。くぐもった声を漏らし苦しそうにうめくアメリア。
一体どうしたと言うんだ。
「シャルル、すぐに医者を呼んでくれ」
「承知いたしました」
素早く部屋から出て行くシャルルの背中を見送り、アメリアに視線を戻す。
「……くっ……つっ……」
腹部を押さえた状態のアメリアの口から、くぐもった声が漏れ出る。
「アメリア、大丈夫か?」
アメリアは刺客からの攻撃をもろに受けていた。
もしかしてあの時の……?
俺はアメリアの額に張り付いた前髪をかき分けて、ハンカチで汗を拭き取った。
「アメリア」
なるべく優しく、心を込めてアメリアの名を呼んだ。するとアメリアの瞼が震え、ゆっくりと開かれていく。俺は慌ててアメリアの顔を覗き込んだ。するとそこに、夜空に星をちりばめた藍色の瞳が現れた。その瞳に、眉を寄せる俺の姿が映っている。
「ライナー……様……?」
「ああ……アメリア大丈夫か?屋敷に帰って来てすぐに倒れたんだ。覚えているか?」
「そうでしたか。申し訳ありません。部屋までは我慢しようと思ったのですが……私もまだまだですね」
そう言って儚く笑うアメリアの表情に、胸が押しつぶされそうになる。