日陰令嬢は常に姿を消して生活したい~あれ?私って転生者?陰から皆さんをお守りいたします。
頭の上にハテナを浮かべながら首を傾げると、ライナー様が大きな溜め息を付いた。それから鋭く強い視線を向けてきた。
「アメリアよく聞いてくれ。これから俺が言うことは真実で嘘偽りは無い。俺の言葉を信じて欲しい」
あまりにも真剣にこちらに訴えてくる姿に、アメリアは驚きを隠さなかった。
そう言えば、アーサー殿下とリリーナ嬢の婚姻式前に話したいことがあると言っていたような……。魔王復活と討伐のせいで、すっかり忘れていた。
私はライナー様の言葉を聞き、氷の様な青い瞳を見つめながらコクリと頷いた。
それを見たライナー様がホッと息を漏らし、ゆっくりと息を吸い込むと、私の両手を包み込む様に握り絞めてきた。
「アメリア、前回のというのか……最初の魔王討伐前、俺はリリーナ嬢に心を引かれていた。なぜだかは分からないが、リリーナ嬢を守らなければと言う思いに支配されていた。しかしそれは庇護し擁護する対象としての感情だった。何故なのかリリーナ嬢の側を離れることが出来なかったが、恋や愛というものでは無い。……少しは心を奪われる事もあったが、けして愛では無かった。それだけは信じて欲しい」
そうだったのか……やはり小説世界の登場人物だから強制力みたいなモノが働いて、リリーナ嬢の側にいた……と言うことなのだろうか?
必死に愛や恋では無いと言うライナー様の姿を見て、何故かホッとしている自分がいた。
あれ?
どうしてホッとしているのかしら?