日陰令嬢は常に姿を消して生活したい~あれ?私って転生者?陰から皆さんをお守りいたします。

 それから屋敷に戻った私達は精根尽き果て、ベッドに倒れ込んだ。今は指の一本でさえ動かせそうに無い。ライナー様と私は一つのベッドに突っ伏して、泥のように眠った。

 次の日の朝。

 そっと瞼をお開けると、サラサラと私の髪をもて遊びながら瞳を細めるライナー様の姿が飛び込んで来た。これは何事だと目を見開きながら固まっていると、私が起きたことに気づいたライナー様がニコリと微笑んだ。

「アメリアおはよう。起こしてしまったか?」

「あっ……、いえ。あの……ライナー様は何をしていらっしゃるのですか?」

「ん?愛しい妻の髪に触れているだけだが?」

「ひえっ……。いっ……愛しい妻……」

「そうだろう?」

 さも当然と言った口調のライナー様は、愛おしそうにこちらを見ながら甘い雰囲気をまき散らし、ゾクリとするほど美しい顔で微笑んでいる。そんなライナー様の優しく甘い眼差しが私の心を射貫き、心臓の鼓動を早くさせる。

「あの……ライナー様……本人……ですよね?その……どうされたのですか?」

「俺はライナーだが?どうとは?」

「その……私はお飾りの妻ですよね?ライナー様が好きなのはリリーナ嬢でしょう?」

 私がそう言うとライナー様だけが、まるで時が止まってしまったかのように固まった。

「あの……?ライナー様?」

 私に声を掛けられて我に返ったライナー様は、ズンッと背中に重たい空気を漂わせながら頭を抱えてしまった。

 一体どうしたというのだろう?




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